PlayStation Portable

PlayStation Portable (PSP)

PlayStation Portable（プレイステーション・ポータブル、略称: PSP）は、ソニー・コンピュータエンタテインメントによって2004年12月12日に市場に登場しました。この携帯型ゲーム機は、PlayStation（PS）の発売10周年を祝う一環として発表され、当初は「21世紀のウォークマン」として位置付けられていました。発売から約5年後の2009年11月には、PSPの新モデルとして「PSP go」も登場しました。

歴史とモデルの進化

初代PSP-1000は高解像度の4.3インチワイド液晶ディスプレイと、PS2に匹敵するグラフィック性能を備えていました。記録媒体にはUMD（ユニバーサルメディアディスク）が使用され、無線LAN機能によりネットワーク上でのゲームプレイも楽しめました。一方で、同年に発売されたニンテンドーDSに売上で後れを取ったことや、特定の地域に依存していたため、国内の販売データに関する分析もなされました。

2007年9月、PSP-2000シリーズが発表され、さらに軽量化され、テレビ出力端子も搭載されました。これに続き、2008年にPSP-3000シリーズが登場し、より高画質な液晶と内蔵マイクが追加されました。ただし、2009年はハードの販売不振が指摘され、その背景にはソフトの供給不足があったとされています。

販売台数と市場の反響

PSPの販売台数は、2005年から2011年にかけて順調に増加し、2011年には世界で7000万台を超える出荷を記録しました。しかし、日本市場と海外市場ではその評価が大きく異なり、日本ではモンスターハンターシリーズが支持を集めた一方、欧米では競合製品に押されてしまった側面があります。特に、なじみのないダウンロード販売中心のモデルであるPSP goはあまり売れ行きが良くありませんでした。

ハードウェア・設計と機能

PSPはそのデザインにおいても特徴的であり、薄型で持ちやすく設計されています。PSP-3000では、コントラスト比が2000:1まで改善され、映像の鮮やかさが向上しました。また、内蔵されたマイクによりSkypeなどの音声通話機能も利用可能になりました。さらに、スリープ機能によって、プレイヤーはゲームを中断しても素早く再開できるため、利便性も高いと評価されています。

ソフトと遊び方

PSPでは多彩なゲームソフトが展開され、特にモンスターハンターが大ヒットしましたが、他にも多数のジャンルのゲームが提供されており、ユーザーは多様な体験を楽しむことができました。また、UMD形式の映像ソフトや音楽ソフトも再生可能で、PSPは単なるゲーム機にとどまらないマルチメディアデバイスとしても機能しました。

問題点と今後

しかし、PSPにもいくつかの問題点が指摘されました。初期型ではボタンの不具合や電源の落ちる現象が報告され、交換対応が行われました。また、ソフトの不正コピー問題も深刻であり、ゲーム業界全体に悪影響を及ぼす要因となりました。

PSPはその後、2012年に正式なサービスを終了し、次世代機のPlayStation Vitaへと引き継がれましたが、PSPでの体験は多くのファンにとって忘れられないものとなるでしょう。携帯ゲーム機の歴史において、PSPは多くの革新をもたらし、ゲームプレイヤーに愛された存在となりました。

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